シリア内戦の基礎知識

最終更新日 2024年4月29日

シリア内戦が起こったきっかけとは

世界にはさまざまな紛争がありますが、近年の中で比較的大きな紛争の一つとしてシリア内戦があります。日本からはずいぶんと離れた国で中東の出来事になりますのでシリア内戦と呼ばれる名前を知っていても、状況を正確に把握している人はあまりません。

そこで、小学生でもわかるようにどのようにして内戦がおこったか見ていきます。もともと、中東の国の多くは独裁国家でした。現在でも独裁国家の国が多く日本のように民主主義をとっている国は多くありません。

その中で、シリアの近くにあるチェニジアが独裁国家から民主化を果たしたことがきっかけで、シリア内戦がおこっています。民主化をしたことにより、アフリカから中東にかけての国々が次々と民主化をしようとしました。これがいわゆるアラブの春と呼ばれるものになります。

やがて、この影響はシリアに及びそこから内戦がスタートします。指令では、当時独裁政権を敷いておりアサド大統領が独裁していた形です。現在でもこの状況は続いていますが、独裁国家ではなく民主化がささやかれて久しい周辺地域では、もはや独裁政権を維持するべきではないとの声が強まりました。

独裁政権によるデメリットは非常に大きく、一部の人だけがぜいたくな暮らしをし残りの人たちは一部のぜいたくな暮らしをする人の養分になっているだけの状態です。当然大統領側からすれば、民主化が起こってしまうと自分たちがつぶされてしまうため民主化を防がなければなりません。

「共産主義」と「民主主義」の違いとは

そこで、大統領側の政府と民主化を進めようとしている反政府側の対立が激化してきました。それだけならばどこの国でもある話しですが、そこにイスラムのシーア派とスンニ派が加わりさらに激動になってきます。

シーア派は、大統領側につき、一方でスンニ派は反政府側につくことになりました。このように、それぞれ勢力が拡大するにつれて、世界でも注目を浴びるようになりましたがその後ろにロシアとアメリカは出てくることにより世界的な問題に発展してしまいました。

もともとロシアは、共産主義国として知られており独裁政権に理解を示す国になります。これに対してアメリカは自由の国と言われている通り、自由主義あるいは民主主義の国になります。つまり、大統領が国を独占するのではなく、国民一人一人が政治に参加し自分たちの自由を獲得していこうとしているわけです。

もちろん選挙の結果敗れることもありますが、それでも国民の選挙結果を多数決で決めることにより、可能な限り国民の意図した国にしていこうとする傾向があります。ちなみに日本も民主主義の国家として知られており、総理大臣や天皇陛下が独裁しているわけではなく国民一人一人が政治に参加しまた自由に意見が言える国です。

ロシアの近くにあるシリアが民主化してしまうとロシアとしては都合が悪くなるわけです。そのため、独裁政権を敷いている大統領側にロシアが肩入れを始めました。

一方で、アメリカはロシアの勢力拡大を防ぐためそして世界の警察としての役割があるため民主化を進めている反政府軍に肩入れをするようになりました。とはいえ、ロシアとアメリカが直接的に戦ったわけではありません。

現在もロシアとアメリカのにらみ合いが続いている

あくまで、それぞれが後ろにいて現地の政府軍と反政府軍に援助しているような形です。土砂為理化が本格的に戦争してしまうと、それこそ第3次世界大戦に発展してしまいますので両国はわからないような形で介入していることになります。

そんな中、イスラム国と呼ばれる過激派組織ができました。内戦でこなしているシリアで自らの国を立ち上げ多くの人を巻き込みました。これは日本でもニュースになっていますので記憶している人は多いでしょう。イスラム国は、資金や武器などを調達するために石油などを売却していました。

このように、三つどもえになってしまいさらに困難を極めることになります。ただ、最初のうちはイスラム国もそれなりに勢いがありましたが、長期戦になるとロシアやアメリカの力にはとても及びません。次第に追い込まれていたイスラム国は、やがて崩壊するにいたります。  引用元「日本ユニセフ協会への寄付」より

なぜロシアやアメリカが積極的にイスラム国に対して戦いをしようと考えたかといえば、戦争は一つの商売として考えている面があったからでしょう。

戦争することにより、武器や弾薬を作りますがこれにより国の景気が良くなるのは昔から言われていることです。日本でもかつて、1950年代に朝鮮戦争が起きたとき時などを製造して一時的に景気が良くなったことがありました。これがいわゆる朝鮮特需と呼ばれるものです。

このような背景があり、積極的に戦いをしかけイスラム国が壊滅しましたが、さらに別の問題が浮上しました。それは、アサド政権つまり独裁政権を樹立している側で化学兵器を用いたとのニュースが入ったわけです。

アメリカとしては、的にあたるアサド政権に対して攻撃を仕掛けましたがそれでも直接ロシアと対決したわけではありません。いずれにしても、この土地はどちらかが放棄すれば片方の土地になってしまうためロシアとアメリカでのにらみ合いが続いて状態です。